令和3年11月26日 第4回定例会

質問事項1
文化プログラムの発信とスポーツボランティア組織について
最初に、文化プログラムの発信とスポーツボランティア組織について。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、コロナ禍のため無観客での開催となり、区民の方々にスポーツ文化のすばらしさを直接体感していただくことは、残念ながらかないませんでした。
 無観客開催については厳しい意見もありましたが、開催後は、ライブ映像を通してスポーツ選手たちの活躍に感銘を受けたという声をたくさんいただき、うれしく思っています。
 無観客開催の成功はありましたが、五輪に関連して区内で予定されていた文化プログラムの発表や事業が中止になってしまいました。
これから、コロナ禍の改善後に発表の機会を設けることは可能でしょうか。
 五輪はスポーツだけではなく、文化の祭典としての側面もあり、オリンピック憲章で文化プログラムの実施が義務づけられています。
誘致段階から日本の伝統文化を発信できる機会となり、メッセージを伝えられなかったことが残念です。
世界はもちろん、日本に暮らす人々にとっても、江東区の文化を再発見していただける機会となったはずです。
コロナ禍の改善後の文化プログラムの発信について、考えがあればお伺いします。
 日本のボランティア精神が世界に発信されたことはとてもすばらしいことで、東京都が募集したボランティア以外に、江東区に直接ボランティア登録をされた江東サポーターズの方々が多数いらっしゃり、感謝しております。
しかし、専用のTシャツも配布され、頑張ろうと思っていたボランティアの方々の活躍の機会がなくなったことは残念に思います。
今後、オリパラの遺産として、区内に受け継がれるスポーツ競技でも、江東サポーターズのボランティアの方々のお力をお借りすることができればうれしく思います。
 個人情報保護の課題もありますが、江東サポーターズの登録者もともに活躍してくれるスポーツボランティア組織の新設について、考えがあればお伺いします。
次に、多くの区民が楽しめるスポーツ振興について。
 11月3日の区政功労者表彰式にて、江東区のゆかりの選手で、希望と感動を与えてくれ、多大な貢献をしたメダリストのスケートボード男子ストリート金メダリスト、堀米雄斗選手、バドミントンのメダリスト、渡辺勇大選手、東野有紗選手の3名が、江東区文化・スポーツ功労表彰を受けられ、未来あるこどもたちに夢とスポーツのすばらしさを教えてくれました。
 東砂小、砂町中出身の堀米選手の活躍で、山崎区長からクラウドファンディングを活用して、夢の島運動場にスケートボードパークの整備が進むことが報道され、江東区の名前が日本中に広まりました。
初級、中級向けで2022年に11月オープンとのこと。
そこで、区民が楽しめるスケートボードパークの構想について、新たに伝えられることがあればお伺いします。
 スケートボードなど若者に人気があることで初めて採用された都市型のアーバンスポーツでは、はじけるような笑顔で楽しむスポーツが人気となりました。
ボルダリングのスポーツクライミングはゲーム感覚があり、誰でも試みることができ、共感が広がりました。
このような新たなスポーツである都市型スポーツに対するスポーツ振興について、考えがあればお伺いします。
 次に、パラリンピックスポーツの推進について。
 東京パラリンピック開会式で「片翼の小さな飛行機」を演じた中学2年生の和合由依さんは、様々な葛藤を乗り越え、勇気を出して飛び立つ姿を豊かな表情で熱演し、国民に元気を与えるすばらしいメッセージを伝えてくれました。
 パラカヌースプリント200メートルの瀬立モニカ選手は、深川小、深川一中の卒業生です。
旧中川の護岸整備で生まれた江東区のカヌー環境は、ジュニア育成に努めています。
海の森水上競技場は区内のレガシーとして残り、水上競技のスポーツ振興の多様性を期待するところです。
 スポーツは汗を流して楽しむことが大切で、誤解や偏見をなくし、共生社会の理念を持ってお互いが尊重し合い、スポーツの機会が生まれることが大会のレガシー(遺産)だと信じます。
多くの方々が親しむことができるパラスポーツの推進について、考えをお伺いします。
 さきの定例会代表質問で同党の山本議員が要望したとおり、私も、パラリンピックのレガシーとして、ボッチャ競技は小学生から高齢者まで多くの区民が親しめるスポーツだと考えます。
ボッチャ個人で金メダルを獲得した杉村英孝選手は、トレーニングを積み、精神を鍛えて勝利を勝ち取りましたが、純粋にスポーツが好きというシンプルな思いが原点とのこと。
 私が所属する小松橋地区青少年対策委員会のスポーツ大会にて、小学校4校のこどもたちがカローリング大会に参加しており、東京2020大会の開催が決定後、パラスポーツのボッチャ競技の取組も進めていました。
ルールはシンプルで、見ている側も十分楽しめます。
 ボッチャは、ゲーム性はもちろん、ゲートボール同様に高齢者にも取り組みやすく、コンパクトなスペースで初心者が楽しめる競技です。
また、冬季オリンピックでのカーリング競技を室内に取り入れたカローリングを、以前、各スポーツ会館でニュースポーツとして取り組んだ実績があります。
小学校低学年でも、チームワークや戦術で勝ち抜く姿を、小松橋地区のスポーツ大会で観戦してきました。
 夏季・冬季オリパラが続くこの時期に、改めてボッチャやカローリングの競技を各スポーツ施設や児童館、福祉施設、障害者福祉センターなどで取り組むまたとないチャンスと考えますが、施策があればお伺いします。
 次に、オリンピック・パラリンピック映画について。
 公共施設の江東区古石場文化センターにて、オリンピック・パラリンピック映画をロングランで上映することを推進したいと考えます。
 区長は、1964年の東京オリンピックの体験の中で、前国立競技場での開会式の際、ブルーインパルスが五輪の輪を描き、行進曲に乗った選手入場、戦後復興の力で日本選手団が活躍したことが心に焼き付いていることから、本物の選手が競い合う姿をこどもたちに見せてあげたいと願っていましたが、残念ながら感染防止のための強い決断の下、学校連携観戦はできませんでした。
 今は亡き市川崑氏が総監督を務めた「東京オリンピック」映画は、公式記録映画であり、かつ極めて芸術性の高い映画を見た私は、スポーツ選手の努力する姿に感動しました。
 日本映画の名匠、小津安二郎監督は、深川が生んだ世界の巨匠で、ゆかりの地である深川の古石場文化センターにて江東シネマフェスティバルの映画祭が12月11、12日と開催されます。
古きよき映画を発信する古石場文化センターで、芸術性の高い多くのオリンピック・パラリンピック映画を上映することについて、考えがあればお伺いします。
 今回の東京2020大会を題材とした映画は、世界的に有名な河瀬直美監督が制作しており、来年夏の公開予定とのこと。
学校連携観戦ができなかった児童・生徒に見てもらえる機会が実現できるか、併せてお伺いします。
質問事項1の回答
区長(山崎孝明
東京2020オリンピック・パラリンピックのレガシーについての御質問にお答えします。
 まず、文化プログラムの発信とスポーツボランティア組織についてです。
 区では、東京2020大会の開催に合わせ、様々な芸術や文化の取組を独自に文化プログラムと位置づけて展開してまいりました。
コロナの影響で一部中止となったものにつきましては、今後の感染の状況を踏まえつつ、可能なものは発表の機会を設け、発信に努めてまいります。
 また、スポーツボランティア組織についてですが、区は江東サポーターズの方々に今後開催予定の区主催イベントを御案内し、ボランティア参加を促してまいります。
 スポーツボランティア組織の新設は、都がボランティアに関する新たなネットワークを立ち上げており、区も各スポーツイベントでのボランティア需要を勘案し、今後検討してまいります。
 次に、多くの区民が楽しめるスポーツ振興についてです。
 区民が楽しめるスケートボードパークの構想についてですが、私は夢の島総合運動場内に、初級者から中級者を対象とし、こどもから大人まで楽しく安心して利用できる施設を整備いたします。
今後、関係者の意見を伺いながら設計を進めてまいります。
 また、都市型スポーツの振興についてですが、今大会では、スケートボードやスポーツクライミングなど、新たなスポーツが新種目に採用され、その自由な雰囲気や選手の連帯感なども注目されています。
 区は今後、新しいスポーツの普及啓発を進め、多種多様なスポーツを楽しめるよう取り組んでまいります。
 次に、パラリンピックスポーツの推進についてです。
 ボッチャやゴールボールなどの障害者スポーツは、健常者と障害者がともに楽しめるものであり、スポーツを通じて相互理解につながると考えております。
 区は、障害者だけでなく健常者に対しても広く障害者スポーツの啓発と参加を促し、共生社会の実現に取り組んでまいります。
 また、ボッチャやカローリング競技を様々な施設で取り組むべきとの御提案です。
カローリングというのは、小松橋地区の人はみんな知っているんですが、区全体ではほとんど知られていない競技でして、私も参加したことがありますけれども、結構難しい競技です。
親子が一緒になってチームを組んだり、こども同士のチームを組んだりして、非常にやってみるとはまってしまうような、そういう楽しいスポーツです。
これもできるだけ広く区民の皆さんに分かってもらえるように広めるべきかなというふうにも思っております。
 こうした競技は、こどもから大人まで幅広い世代が気軽に楽しめるものでありまして、区としても今後、競技の実施について検討してまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック映画についてですが、古石場文化センターでは、これまでも日本の優れた映画作品の鑑賞を通じた地域活性化の取組を行ってきました。
オリンピック・パラリンピック映画の上映につきましては、現時点での予定はありませんが、今後、芸術性の高さ、鑑賞の必要性などを勘案しながら検討してまいります。
 この監督の河瀬直美さんでありますが、実は女性監督を選んだのは、かつて女性蔑視でさんざんたたかれた森喜朗先生でして、組織委員会の会長をやめましたけれども、森組織委員会会長が河瀬さんという女性の監督を指名したというふうに聞いております。
 この河瀬さんが監督に決まった後に、江東区が映像の中でも多分出るだろうから、競技場も多いのでということで、森会長に促されて私のところに挨拶にお見えになりました。
なかなかしっかりした女性で、別の映画をつくるのに砂町銀座を映像の場面に撮らせてほしいということで、砂町銀座を舞台にした映画を別に制作されました。
これも既に公開になっておりますけれども、この方がどのような映像が出来上がるか、来年、年が明ければいずれかの時期に発表になると思うんですが、今から楽しみにはいたしております。
 こどもたちがオリンピック観戦できなかったわけで、できれば学校でみんなで見に行けるようなチャンスがあればいいなというふうには思っておりますが、ただ、前のオリンピックの映画、市川崑監督の映画、あれ、私も見ました。
途中で寝ちゃいましてね、あまりにも芸術性が高くて、アベベのあの足だけが5分ぐらい、ただそれだけが映っていたと。
5分はちょっとオーバーですが、そういう映像でしたから、改めてあれは後につくり直したんですよね、たしか。
そんなこともありました。
河瀬直美さんの映像がどのようなものになるか、今から楽しみにしているところでございます。
 東京2020大会を題材とした映画を児童・生徒が見ることについてですが、学校連携観戦がかなわなかった児童・生徒において、東京2020大会を振り返り、オリパラ教育の次なる進展の一つにつながるものと考えております。
今後、国や東京都の動向も注視しながら、具体的に検討してまいります。
質問事項2
ロボット支援の活用について
 次に、ロボット支援の活用について。  アメリカのアマゾン・ドット・コムは、音声を使った人工知能のAIサービス、アレクサを搭載した家庭用小型ロボット、アストロを発表しました。 留守宅の監視や高齢者の見守りサービスに対応するため、カメラとセンサーを駆使し、家の中の障害物を把握して自律的に走行するとのこと。  1980年代から日本の産業ロボットの導入率は世界をリードしてきましたが、現在は対人支援へのロボット導入に躍進しており、災害時や、人が立ち入れない危険な場所に用いるロボットの性能や安全が求められており、当区でも災害時における無人航空機(ドローン)を活用した支援協力に関する協定書を民間企業と結んでいますが、その進捗について、報告できることがあればお伺いします。  よい例として、AIが個人の健康状態を把握し、認知症や介護予防に活用され、高齢者の生活の場で取組が進んでいます。 各メーカーでは、運動ゲームや言語トレーニングを支援するロボットがあり、高齢者の見守りや病気の兆しを察知、介護者の負担軽減や高齢者とのコミュニケーションの道具としてロボットの活用が期待されています。 そこで、区内の高齢者施設でのロボット支援の活用があればお伺いします。  また、介護ロボットの市場規模の拡大について認識されているか、お答えください。  次に、ロボット技術の啓発について。  本区にある芝浦工業大学は、建設やIT企業と共同開発を進めており、産業ロボット開発はもちろん、区内の活動では、文部科学省の地(知)の拠点整備事業で、即席ハロウィン工作教室やロボットによるデモンストレーションを文化施設で実施しています。 ボランティアスタッフと共存するための研究として実験され、ネットワーク化にインターネット経由でロボットの状況が把握できる学習を試みてみます。  このようなロボット技術の研究や試行のプロジェクトについて、産業分野と同様に福祉分野においても、産学公連携の下、地域との技術連携を推進し、さらに高齢者施設等に対するロボット導入や普及の支援に取り組む必要があると考えますが、区の望む方向性についてお伺いします。  小中学校ではICT教育が推進され、児童や生徒が当たり前のようにインターネットを活用し、清掃や留守宅の監視等の生活支援の手伝いができる日は遠くないでしょう。 日々の生活にロボット支援の取組が進む中、こどもたちに、自分の手で組み立てたり、システムを考え工夫する科学教育の機会を推進するべきと考えます。  文化コミュニティ財団で、芝浦工業大学の協力を得て、「親子で作ろうロボットセミナー」を平成15年から継続して開催し、人気の講座でした。 コロナ感染防止に努め、人気の講座を多くの文化センターで再開することは可能でしょうか。 同様な親子で参加できるロボット学習に関連する科学教育への取組の考えがあればお伺いします。
質問事項2の回答
福祉部長(武越信昭)
 次に、ロボット技術の活用と啓発についての御質問にお答えいたします。  まず、ロボット支援の活用についてです。  災害時における無人航空機(ドローン)を活用した支援協力に関する協定につきましては、災害時に迅速かつ安全に被害状況を把握し、早期の復旧対策に役立てることを目的に、令和2年7月に株式会社ミライト・テクノロジーズ東京支店と締結したところです。  災害時の実効性の検証と職員の知識向上のため、関係法令や手続に関する講義や、屋外での実機を用いた飛行試験及び通信状況の確認等を、今年度中に行う予定となっております。  次に、区内高齢者施設でのロボットの活用についてですが、区では、介護ロボットの使用によって介護従事者の負担軽減を図り、働きやすい職場環境を整備する観点から、令和2年度より、介護ロボットを導入した区内の特別養護老人ホームと認知症高齢者グループホームを対象に、導入費用の一部を補助しております。  対象は、国が示す「ロボット技術の介護利用における重点分野」のうち、「センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム」としており、この補助制度を活用して、利用者のベッドからの転倒・転落、徘回などによる事故を予防するための離床センサー、見守りセンサーと呼ばれる機器が導入されております。 利用実績は、令和2年度が3件となっております。  なお、介護ロボットの市場規模につきましては、令和5年度には、メーカー出荷金額ベースで令和元年度比、約140%、約26億円まで拡大するとの民間研究所による予測もあります。 高齢者人口が増加する中で、介護職員の確保が困難な状況が続く中、介護ロボットは、職員の負担を軽減し、質の高い介護を実現するための重要なツールとして、その市場規模は拡大していくものと認識しております。  次に、ロボット技術の啓発についてです。  さらなる高齢者施設等に対するロボット導入や普及の支援への取組についてですが、区といたしましても、引き続き、介護事業者の方々の要望や意見も踏まえ、対象機器の拡大を含め、介護ロボットの導入、普及支援に向けて一層の検討を進めてまいります。  次に、豊洲文化センターほか2施設で開催しておりました親子で作ろうロボットセミナーについてです。  このセミナーは、芝浦工業大学が、地域連携・生涯学習事業として平成12年より開始したロボットセミナー事業と連携し、その協力の下、文化コミュニティ財団の自主事業として実施したものですが、同大学において、政府の進める人生100年時代構想を見据えた事業の見直しを行うことから、令和元年度をもって終了しております。  お尋ねの、これまでと同様に同大学と連携したセミナーを再開することは、現時点では困難ですが、文化コミュニティ財団では、現在、科学技術高等学校と連携し、「ジュニア科学教室」など、科学への関心を促す講座を実施しております。 今後とも、未来を担うこどもたちのために、科学への関心を高める事業を検討し、進めてまいります。
質問事項3
カーボンマイナスアクションについて
 次に、カーボンマイナスアクションについてです。
 第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)では、石炭火力発電の段階的削減に向けた努力を加速させることなどを盛り込んだ成果文書を採択しました。
 日本は、原発再稼働の見通しが立たない中、当面は石炭をはじめとした火力発電を、新技術で温室効果ガスの排出を抑制しながら活用し、2030年に2013年度比43%減の目標は課題が山積みです。
 岸田首相は、「アジア全体のゼロエミッション化を力強く推進し、石炭とアンモニアを一緒に燃やしてCO2排出量を抑える日本の新技術をアジア各国に積極的に供与する」という意向を示しました。
 自国では再生エネルギー導入が進んだことで、2013年度をピークに減少し、2年連続で、18年度、19年度と過去最少を更新しましたが、新型コロナウイルス対策によって、生活環境の変化や消費変動で事業が継続できなくなり、順調に進んでいた施策ができず目標が定まらなくなり、温暖化対策に関する事業達成に影響があったと案じます。
 区内での取組はどうでしょう。
区内事業でのカーボンマイナスアクションの新たな立て直しの施策が必要と考えます。
地球温暖化防止設備の導入助成内容と、民間に任せつつある電気自動車用急速充電器整備や、老朽化した若洲風力発電施設と再生可能エネルギーのシンボルのマイクロ水力発電設備などについて、公共団体実行計画に相当するKOTO低炭素プランのさらなる目標、あるいは施策の立て直しの考えがあればお伺いします。
 23区中、率先して取り組んだ施策である再生エネルギーを、新たな考え方で見直すことは大事です。
民間企業や自治体が持続可能な開発目標(SDGs)に積極的に取り組むことで、家族で関心が高まりました。
カーボンマイナスこどもアクションも含め、家族と一緒にこどもたちが深く考える時間をつくる工夫が必要と考えますが、見解をお伺いします。
 最後に、さらなるリサイクルを目指して。
 ある自治体の取組で、生ごみを専用容器で回収し、事業系も含め、生ごみを施肥に資源循環させ、自家菜園に無料配布したり、水田や畑に散布したりしています。
捨てられる野菜を乾燥、粉砕させ、プレス機で200気圧の圧力をかけ、強度の建材として活用が期待される新材料の研究が進められています。
 また、環境性を重視した民間企業では、生分解性プラスチックカップ容器を積極的に取り入れ、また、本来捨てられてしまう植物繊維系の残渣や、間伐材の原料を粉砕樹脂加工した成型製品の完全リサイクル化が注目されています。
 多くの区民が日常生活の中で完全リサイクル製品を認識して、企業や生産者において活用することで環境保護につながることを学び、新たな家庭の消費活動に発展します。
また、日常生活での完全リサイクル製品活用を推進する啓発活動を広げることにもつながります。
さらなるリサイクルを目指して、区行政が真っすぐ進めていくことをお伺いして質問を終わります。
質問事項3の回答
環境清掃部長(林英彦)
 次に、循環型社会の推進についてであります。
 まず、カーボンマイナスアクションについてであります。
 新型コロナウイルス対策による区内での取組についてですが、温暖化対策の主な事業である助成事業の利用実績は、令和3年度の現時点で前年度を超えております。
その他の事業においても、影響は及んでいないと認識しております。
 次に、KOTO低炭素プランについてであります。
 このプランは、地球温暖化対策の推進に関する法律が定める実行計画として、江東区環境基本計画の中で策定しております。
本プランは、重点事業として、温暖化防止設備導入助成事業をはじめ、再生可能エネルギーの活用、街路灯の改修、木材利用の推進等を掲げております。
環境基本計画では、令和6年度を目標にこれらの進捗を管理しており、本計画の中で各事業の着実な達成を目指してまいります。
  次に、家族と一緒にこどもたちが深く考える時間をつくる工夫についてであります。
 本区の環境学習に関する取組は、えこっくる江東を中心に、体験学習をはじめ、多くの事業を展開しております。
清掃車を活用したごみとリサイクルの分別授業や、えこっくる江東での「親子でソーラーカー工作」などは、家庭で取り組める環境学習事業で、こうした学びの機会を積極的に周知するとともに、事業の充実を目指してまいります。
  次に、さらなるリサイクルを目指してについてであります。
 現在、全国の自治体では、ごみ減量を図るために多様なリサイクル事業を行っております。
本区においても、容器包装プラスチックや発泡スチロールの分別回収、不燃ごみの資源化、古着・古布の回収等を実施しているところであります。
 また、リサイクル製品の活用については、「ごみ減量と環境配慮の買い物ガイド」を作成し、周知啓発に努めております。
 リサイクル製品は、御指摘の製品以外にも、プラスチック、ガラス、紙製品など、多種多様な素材で製品化されております。
リサイクル製品の活用は、原材料の有効利用でもあり、企業や生産者における環境保護にもつながります。
 今後、先進的な技術開発により、新たなリサイクル製品が開発、販売され、家庭での消費活動につながれば、廃棄物や二酸化炭素の排出が削減されることにもなり、ごみ減量を目指す本区にとっても有用であると認識しております。
 本区としては、環境負荷や経済性も鑑みながら、新たなリサイクル技術やリサイクル製品の今後の動向を注視するとともに、区民がごみを減量し、環境保護につながる商品を適切に購入できるよう、関連する情報の発信と周知啓発に努めてまいります。