令和7年第1回定例会(令和7年度予算審査特別委員会) [教育費]

質問事項1
教科担任制講師配置事業について
 最初に、教科担任制講師配置事業についての教科担任の役割について質問させていただきます。既に東京都の施策で進められている教科担任制という制度が小学校で始まっています。
 都の施策の概要と区内での実施状況をまず、お伺いします。
質問事項1の回答
指導室長
 本事業の施策概要と区内の実施状況についてお答えをします。
 本事業の狙いとしましては、小学校に教科担任を担当する教員を配置することで専門性の高い教科指導を実現し、中学校教育への円滑な接続を図ることや複数の教員が多角的、多面的に児童理解することなどを狙って行われております。配置条件としては、18学級以上の小学校で主に高学年の専門性の高い教科指導をしております。
 教科については、理科または保健体育と中学校教員を都から1名配置することとなっておりまして、現在、本区としては、2校が実施をしている状況であります。
質問事項2
教科担任制の成果について
 2校が実施されているということで御報告ですけれども、算数の少人数学習とは別に、理科や社会、そして体育の専門性が望まれていると私は考えていますけれども、例えば、1学年3クラスで時間割を合わせて一緒に授業を実施することで、他の担任が時間的に余裕ができ、他教科の準備を進めていると、先生たちが全教科を準備しなくてもよい状況ができるとのことです。
 教員の負担軽減のメリットがあるので、その成果をどのように捉えているか、お伺いします。
質問事項2の回答
指導室長
 お尋ねいただきました、1学年3クラスを一緒に授業することについてですけれども、学校においては、例えば運動会などの行事の際には複数の教員が学年合同で授業することはあります。しかしながら、教科指導の際には、個に応じた支援や安全管理上の観点から、1人の教師が、3クラスでいうと約90人ほどになりますけれども、こどもを見ることはかなり難しい状況であると捉えております。
 しかし、都の加配を受けていない学校においても、主に高学年において学年内の担任が担当する教科を定めて、授業交換を行う取組が進んでおります。教科担任制を行うことで担当した教科の専門性を高められたり、ゆとりを持って教材準備ができたりするなど、成果が上げられていると認識しております。
質問事項3
教科担任制の今後の展望について
 都の加配と各学校で、江東区でやるかというのが少し違いが出ているということだと認識しています。この教科担任制は1年間を通して施行していくのか、また、中規模校以上の小学校で実施するとのことだと思います。経験値が高い教員と若手の先生との配置で、学年のバランスをいつも考えて、学年のクラスの担任が決められていると思っていますけれども、専門性を求められる中、限られた教科と学年、そして、全小学校で配置できない課題もあります。
 教員と児童にとって良い制度と感じますが、今後の展望についてお伺いします。
質問事項3の回答
指導室長
 本事業は年間を通じて実施しているものでございます。これまで実施している学校では専門性の高い教員が授業を行うことによる学びの質の向上が見られ、また、教員の負担軽減にもつながる成果が上げられておりますので、これらを受けて令和7年度は1校追加で実施をする予定です。
 今後も都の事業で指定、推進する考えであることを把握しておりますので、動向を注視しながら、これまでの成果と課題を踏まえて適切に推進をしてまいります。
質問事項4
教育支援センターの事業について
最初にブリッジスクールの学習指導についてです。教育センター教室と南砂教室の次に、令和5年度からもみじ幼稚園の跡地に設置された東大島教室の活用状況についてまず、お伺いします。
質問事項4の回答
指導室長
 もみじ幼稚園跡地を活用した東大島教室においては、これまでの施設や立地のよさを効果的に活用しておりまして、例えば広いホールで他学年の児童・生徒が交流したり、園庭での運動、ビオトープでの野菜づくり、また、地域の方々との交流なども、こどもたちが主体になって取り組んでいる状況がございます。
質問事項5
教育支援センターの課題について
 教育センターの教室は人数も多いということで、そういう自然の学習がなかなかできないと。かといって、もみじ幼稚園の跡地は元幼稚園ですから、非常に園庭もあったりとか、自然の、今のお話でいうと運動やビオトープができるということで、各生徒に応じたブリッジスクールができるんじゃないかなと感じておりますけれども、以前、教育センターの教室を視察させていただいたことがあって、全員ではないと思いますけれども、学年の壁がなく、低学年から高学年、お互いに協力しながら学習している姿を見ることができました。
 知っている元校長が頑張っている姿も実は拝見して、お声をかけさせていただいたりして、お久しぶりですという形で、お互い笑顔を交わしたのを覚えております。通っているこどもたちの人数が一番多いのが教育センターの教室ですけれども、年々通級する児童・生徒が増加しているということで、現在、退職した元校長の相談員の仕事量が大変になっているんじゃないかなと推測します。
 相談員が充実した学習指導をできているのか、課題があればお伺いします。
質問事項5の回答
指導室長
 教育センターの中にあるブリッジスクールの状況ですけれども、2月末現在、約100名の児童・生徒が通っているような状況です。センターでは元校長がこどもたちと関わっておりますけれども、そのほかに学生などが支援員をしており、そういった方たちが児童・生徒の個別の学習支援だったり、授業動画を一緒に受けたり、オンラインを活用した学習を支援したりということで、取組を充実しております。
 課題としましては、こどもたちを見守る大人の人数が多いことはよいことだと思いますので、配置については、ほかのブリッジスクールとのバランスも考えながら計画しているところです。
質問事項6
校内別室指導の指導員について
 不登校対策として全校の配置を進める校内別室指導支援員ですけれども、元校長が配置の今の状況と違いまして、各学校で地域の情報とともに、有償ボランティアを雇用するということです。招致支援員の日数よりも210日間の間で、1日6時間の時間給とするということです。いろいろな候補者が分担して関わることも考えられます。
 全校で実施となると、配置の人数の確保に課題があると推測しますけれども、対策をお伺いします。
質問事項6の回答
指導室長
 校内別室指導支援員につきましては、令和7年度から全校での配置を予定しております。人材確保に向けては学校が地域人材から見つけ出したり、現在校内で働いている職員が兼務をしたりすることも考えられます。
 区としましても、ホームページを活用して公募を行い、各学校の条件に合った人材を紹介しているところでありますけれども、こどもたち一人一人のニーズに応じた支援が行えるよう、人員の確保を支援してまいります。
質問事項7
各施設の連携と相談員の負担軽減について
全校で実施される校内別室指導支援員の成果によっては、現状のブリッジスクール3か所との連携や相談員の負担軽減にも考えられますけれども、その連携に関しての見解をお伺いします。
質問事項7の回答
指導室長
 まず、区の不登校対策の充実に向けては学校と関係機関が連携を図っているところです。ブリッジスクールの相談員とも、不登校担当者連絡会などで連携を図っております。また、校内別室指導支援員を配置している学校では、学校に教室以外の居場所があることで、新規の不登校児童・生徒が発生していない状況も見られますので、今後ブリッジスクールに通う児童・生徒が減少することも予想はされます。相談員の負担軽減については、学習支援を担う学生等の支援員の充実を含め検討してまいります。