平成29年2月22日 第1回定例会

質問事項1
民間企業の支援と協働について
初めに、大綱1点目の民間企業の支援と協働についてです。
 最初に、地域クラウド交流会についてです。
 多くの企業は、地域市場の動向をしっかりと見据えて、厳しい競争環境の中で切磋琢磨して戦っています。
そこで、区が民間企業に対し、どのようにアプローチして助成していけるのかを考えます。
 技術革新や開発のスピードが早いため、大手企業は社会のノウハウを取り入れ、新たなビジネスモデルを生み出し、ベンチャー企業との連携を探るオープンイノベーションの動きが広がっていると聞いています。
自社努力だけでは厳しく、外部と協業しないと変化に対応できないということで、これまでは企業間での展示会や大学、個人からの情報に頼っていたのですが、オープンイノベーションは、公募で選ばれたベンチャー企業がコンテスト形式でアイデアを披露し合う方式であり、大手企業が業務提携や共同事業化を目指すなど普及しています。
 区として、オープンイノベーションにおけるベンチャー企業について、どのように認識しているのでしょうか、お伺いします。
 地域の信用組合の助言を受けて、ベンチャー企業の活性化を図ることを目的に、江東区地域クラウド交流会を発足し、区との共催でこれまで3回開催され、発展していっています。
 千葉県では既に地域クラウド交流会が展開されていると聞いていますが、東京都内では初めての試みとして、当区でスタートした地域クラウド交流会はどのような経緯で開催されたのでしょうか。
 後援団体や協賛企業もあり、ベンチャー企業の関係者が150名以上集いましたが、その成果はどうだったのでしょうか。
 5名の起業家が3分間のプレゼンテーションタイムで発表し、投票を行うなどのクラウド交流の時間もあり、参加者の満足度は高かったのですが、活性化された企業同士の展開が実際に事業に結びついた例があればお聞きします。
 手書きの地域クラウド交流カードによる個々の宣伝アプローチやコメントはとても愛着があり、気軽に交流できる異業種交流のチャンスになっていました。
 そしてアフター交流会の勧めとして、会場近辺の飲食店を紹介しており、「ことみせ」の店舗紹介とも連携して、創業や起業を積極的に支援するだけではなく、地域活性化の役割を担っていると考えます。
 開催地区を変えて3回実施していますが、アフター交流会での地域活性化の成果もお聞きします。
 事業運営を民間委託している江東区中小企業若者就労マッチング事業の若手社員の定着支援プログラム参加企業や、こうとう若者・女性しごとセンターでの就職支援、人材紹介、交流イベント等の協働の成果もあわせてお聞きします。
 次に、江東ブランドについてです。
 平成29年1月、平成28年度江東ブランド認定式が開会され、6社が新たに認定されました。
江東区のものづくりの継承と革新をテーマに掲げ、企業と区がともにイメージアップを図ることを目的としたプロジェクトは、多くの創業者や企業、法人の方々に新たな活力として働く生気を与えてくれています。
特に後継者が不足している時代に、家業やのれんを守っていく若い世代にも活気を与え、目標にもなっていると確信します。
 本年2月の3日間、東京ビッグサイトで、国内最大規模と言われる第83回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2017が開催され、江東ブランドブースとして18社が出展し、江東区のものづくりのすばらしさ、力強さをアピールしていました。
 特に平成28年度認定企業6社のうち5社がブース最前列に展示されるなど工夫され、注目を浴びていました。
 江東ブランドに認定された企業の成果はいかがでしょうか。
認定企業が年々ふえ、ものづくりのすばらしさが認められる企業がふえることはよいことであると感じていますが、第83回東京インターナショナル・ギフト・ショー春2017参加への支援についての課題や、企業間組織への展望等があればお聞きします。
 また、平成26年度、平成27年度認定企業の交流会での成果、異業種交流されたことによる相互関係の発展についてもお聞きします。
 台東区、荒川区、足立区、墨田区、葛飾区の5区が共同で行う、ものづくり産業活性化を目指す事業、TASKプロジェクトではすぐれた生活提案商品を選出していますが、区独自の認定ブランドとの相違点や消費者ニーズに合ったものづくりのブランドの展開について、考えがあればお聞きします。
 次に、地域支援と起業家教育についてです。
 私は卒業した母校の小学校において、PTA役員を務め、評議員もさせていただいているため、10年ほど前から総合的な学習の授業時間に、「ようこそ先輩」として、仕事、職業のことを語り、児童の質問にも答える機会をいただいております。
そこでは、グローバルな視点から業界を評価し、国家資格等の取得と仕事によって生活が成り立つという勤労の必要性を伝えております。
 多くの小中学校で、「ようこそ先輩」の授業を地域の支援により試みていますが、学校教育現場での地域支援についてお聞きします。
 児童・生徒がみずから商品を販売したり、模擬会社を設立して起業体験する起業家教育に取り組む小中学校がふえていますが、区内で援業実施の計画はされているのでしょうか。
 道徳教育も実施されている現状の援業では、どのようにチャレンジ精神やコミュニケーション能力を身につけていくのかが課題です。
「ようこそ先輩」と同様に、地域の起業家の協力を得ていくことが必要と考えます。
 起業家精神を養うためには、販売における市場原理やお店での役割分担の工夫、商品の企画立案等、チームで意思決定する過程の学習が必要になると思いますが、起業家教育の援業の方向性について考えをお聞きします。
 次に、民間企業が支援する自立支援教育についてです。
 平成17年8月、東京都教育委員会が設置した地域教育推進ネットワーク東京都協議会では、企業、大学、NPO等とのネットワークを構築し、こどもたちに多様な体験学習の機会を提供できるよう活動されていると聞いています。
 この活動は、都立高校への社会的・職業的自立支援教育プログラム事業の一環ですが、そこで区内の小中学生に対しては、どのような民間企業が支援団体として地域に協力していただいているのでしょうか。
 豊洲にあるIHIものづくり館アイミューズに、地域の小中学生が定期的に招かれたり、芝浦工業大学からは、ロボット教育の協力を得ています。
 また、インターンシップ制度があり、中学生の職業体験では、学校がある地域を中心に、中小企業団体が職業体験の機会を与えています。
 一般社団法人東京都江東産業連盟は、地場産業、伝統工芸に触れられるものづくりフェアを開催しているほか、江東区教育委員会の後援のもと、こどもお絵かきデザインコンクールも活発に実施されています。
 区内の有名企業で組織されている一般社団法人東京都江東産業連盟との連携はできるのでしょうか。
また、江東ブランド認定企業も、組織力があれば小中学生にもものづくりの体験学習の機会を与えることができると考えます。
 新学習指導要領の柱は、英語教育等の強化も必要ですが、自立のための生きる力を育むこととなっています。
将来、社会人、職業人として生活していくための理解を深めるために、民間企業が自立のために支援できる機会を創出し、区が協働して小中学生を対象に学校、地域に隔たりなく同じ内容で実施できる自立支援教育プログラムを、発展的に推進することを望みます。
実施に向けた考えがあれば、お伺いします。
質問事項1の回答
地域振興部長(谷口昭生)
民間企業の支援と協働についての御質問にお答えします。
 まず、地域クラウド交流会についてであります。
 初めに、オープンイノベーションについてですが、この取り組みは、外部などから技術やアイデアを取り込み、新しい価値を創出することで開発や製品化につなげるもので、先進性の高いベンチャー企業の果たす役割は大きいものと認識しています。
 次に、本区で実施した地域クラウド交流会の開催までの経緯についてであります。
 地域クラウド交流会は、国の認定を受けた江東区創業支援事業計画に基づき、金融機関が実施する創業支援の取り組みとして、平成28年度に新たに位置づけ、都内で初めて実施したものであります。
 成果ですが、3回の開催で毎回約150名の参加者があり、他自治体で実施された地域クラウド交流会よりも多数の参加がありました。
起業家を目指す若者や参加者の活発な交流が行われ、今後も新たな創業支援の展開につながると考えております。
参加者間で交流会後に商談の成立した事例や、金融機関との新たな取引などのビジネス展開が報告されています。
 次に、アフター交流会の成果ですが、「ことみせ」の登録店舗等を紹介し、多くの参加者やスタッフが会場周辺の飲食店でさらに交流を深めていました。
 交流会の参加企業のうち7社が、こうとう若者・女性しごとセンターに求人登録をするという成果もありました。
 次に、江東ブランドについてであります。
 江東ブランド推進事業は、区内のすぐれた製品や技術を保有する企業を認定するプロジェクトで、3年目の現在、34社を認定しています。
 成果としては、会期中に商談が成立した事例があり、今後の取引の拡大についても、これまで以上の成果が期待されます。
 また、課題ですが、今後も出展企業の増加が見込まれることから、出展規模の拡大や専門スタッフの確保が課題と認識しております。
 次に、認定企業の交流会ですが、今年度は4回実施する予定であり、各企業の事業報告やグループでの協議、区内工場の見学会などにより、企業間の交流を活発に行っております。
 特に、この交流会を土台に、企業間でPTを設立して特定のテーマについて検討するなどの機運の醸成や、異業種交流により、新たな製品開発等に向けた相談や協議が開始されるなどの成果があらわれており、今後の新たなものづくりへの発展が期待されます。
 次に、5区共同のプロジェクトとの相違ですが、江東ブランドは、コンテストなどを経ての特定の商品認定ではなく、高度な技術や製品等を持つ多様な業種・業態の企業認定という点で異なります。
 また、消費者ニーズに合ったものづくりですが、本区としても消費者の目線を重要な視点と捉えており、今後も出展事業者との意見交換や展示方法を工夫するなど、消費者ニーズの把握に努めてまいります。
 次に、地域支援と起業家教育についてです。
 まず、起業家教育への取り組みですが、区内の全中学校の2年生が、地域の事業所などの協力のもと職場体験に取り組んでいるほか、さまざまな職業の方々による学校での職業講話の取り組みを行っております。
 また、日本公認会計士協会東京会の協力により、実際に生徒がたこ焼き屋を経営することを想定して、損益分岐点について学ぶ出前授業等に取り組んでいる学校もあります。
さらに、小学校でも、地域で商品販売の体験をしている学校もあります。
 次に、起業家教育の授業の方向性ですが、チャレンジ精神、創造性、探究心といった起業家精神や実行力、リーダーシップ、コミュニケーション力のような起業家的資質、能力を育成することは、これからの時代を生きるこどもたちにとって重要であります。
 今後は、児童・生徒が主体的に取り組む職場体験や職業講話等のキャリア教育を一層充実させてまいります。
 次に、民間企業が支援する自立支援教育についてです。
 まず、区内の小中学生に対する民間企業の支援ですが、区では、区内の中小企業において、ものづくりの体験学習や工場見学等を行う産業スクーリング事業を実施しており、区内の小中学生が、平成27年度は約550名参加しています。
また、平成26年度からは、「JTB旅いく×アウトオブキッザニア」を開始し、区内の小学生を中心に、区内中小企業でものづくりの体験プログラムを提供しています。
 次に、一般社団法人東京都江東産業連盟との連携ですが、小学生親子ものづくり体験などのイベントを定期的に開催しており、今後とも本区と連携した取り組みの強化について協議、検討してまいります。
 なお、小中学生を対象にした自立支援教育プログラムについては、区内各経済産業団体との連携方法などを含め、今後の検討課題とさせていただきます。
質問事項2
橋梁と橋の魅力について
橋梁と橋の魅力についてです。
 最初に、隅田川にかかる重要文化財の橋梁についてです。
 昨年11月に東京都建設局が主催した「東京 橋と土木展」に伺い、道路管理部保全課が所有している写真と資料の展示があり、魅力ある古きよき橋梁の歴史に触れることができ、すばらしい展示会でした。
 帝都を代表する河川、隅田川にかかる橋梁は、あたかも橋の展覧会のように一つ一つのデザインが違います。
 明治45年に隅田川に開通した新大橋は、大正12年の関東大震災でも焼け落ちず、お助け橋と呼ばれ、60年余り現役を務めた後、昭和52年に入り口部分が愛知県の明治村に移築されていることは知られています。
アールヌーボー調のデザイン照明など、橋門構に20世紀初頭という時代を感じさせる歴史を物語った建造物です。
 そして、特に興味深いことは、勝鬨橋と同じく、隅田川にかかる震災復興橋梁の清洲橋と永代橋が、平成19年に国の重要文化財に指定されたことです。
 現存の清洲橋と永代橋は男性的なアーチ橋で、遠出をして戻ってきたときにほっとする、愛着のあるシンボル性が高いすばらしい橋梁です。
区内にかかる国指定の重要文化財として、力強さと美しさをあわせ持った震災復興橋梁である清洲橋と永代橋は、東京都建設局の管理下にありますが、水辺がある水彩都市・江東の歴史あるシンボルとしての価値について、認識をお伺いします。
 現在の永代橋は、大正15年に関東大震災後の帝都復興事業でかけかえられてから90年以上がたち、橋脚間の距離が100メートルを超えた橋であり、船舶の通行のためアーチ形態やつり橋を採用するなど、当時の技術の粋を集めた震災復興橋梁です。
 東京都の道路管理部保全課は、清洲橋とともに施工風景写真を保管しており、コンクリート橋脚や桁架設、リベット打ち作業など、技術振興の情報を持っています。
 区として、深川江戸資料館や芭蕉記念館との協働、連携を行い、重要文化財の橋梁の歴史を伝える企画を立ち上げてはいかがでしょうか。
 木材や石など自然の材料を使用していた時代から、明治、大正、昭和の橋梁建設における鉄鋼技術の産業革命の歴史を知ることができます。
 また、夜のライトアップにとどまることなく、2020年オリンピック・パラリンピックを控え、清洲橋と永代橋をオリンピック・パラリンピックアーチとして、五輪のシンボルに活用することはどうでしょうか。
かつて東洋のベニスに例えられた水彩都市・江東を紹介する絶好のチャンスです。
 レガシーになるオリンピック・パラリンピック競技会場と、レガシーである重要文化財の両橋梁が連携できる観光企画や、豊洲の造船所跡にある日本でも数少ない可動橋であるアーバンゲートブリッジ、小名木川の扇橋閘門を組み合わせたレガシーツアーを計画してはいかがでしょうか。
区の考えがあればお聞きします。
 次に、区指定の文化財として残すことについてです。
 水辺がある水彩都市・江東が管理している多くの橋がかけかえられていますが、歴史を物語る橋も多く見受けられます。
 昨年12月末にかけかえ工事が完了した地元の三島橋はとてもスマートな橋に生まれ変わり、機能的で通行にも便利になって利用者も助かっていると推測します。
ただ、経済性重視なのか、特色あるデザイン性が乏しく、寂しさを感じます。
 橋の魅力は造形美にあります。
その南側にある海砂橋は、中央の休憩できるスペースにオブジェが装飾されており、待ち合わせでも利用される特色ある橋です。
そこで、特色ある橋を区指定の文化財として残すことについてお聞きします。
 当区は地盤が低いため、土地のかさ上げを押さえるためにトラス橋が多く、その数は世界でも上位に入ると言われています。
地元では小松川橋、崎川橋など、多くのトラス橋が現存しています。
隅田川を下り、当時の深川区に21の橋があったそうで、代表的な亀久橋、萬年橋、福寿橋、東富橋の4つの橋を都市景観重要建造物に指定しています。
特に亀久橋は、親柱にオリジナルで色ガラスの飾りがあり、大変デザイン性がすぐれた橋です。
 昭和を語る貴重な資源である橋ですが、老朽化によるかけかえ予定はどのような計画で進んでいくのか、技術的にトラス橋ではなくても問題のない地盤であれば、橋面の装飾は必要ないのか、設計はどのような経緯で決められているか、他の橋を都市景観重要建造物に指定する予定はないのかお伺いします。
 スマートな橋に生まれ変わることはとてもよいことですが、水彩都市・江東としての景観を大切にし、文化財として残っている地域に合わせた造形美ある橋を残すことについて、考えがあればお聞きします。
 明治11年に中央区の楓川にかけられた約15メートルのボーストリングトラス橋である重要文化財の弾正橋は、橋幅が改修されましたが、八幡橋の名前で富岡八幡宮裏手に歩道となって現存しています。
文化財とは、将来の文化的発展のために継承されるべき過去の文化です。
 地元の町並みや産業の歴史を現代からひもとく番組、NHK「ブラタモリ」の人気が高いのは、日本の文化に興味を持つ方が多いためではないかと推測します。
 3月5日、日曜日まで、中川船番所資料館において、「江戸の海運と江東」の特別展が開催されています。
江戸時代には、海路から小名木川を通して年貢米が搬送されるなど、海運の輸送手段が紹介されています。
古写真では、仙台堀川の水門で、いかだに組まれた材木を扱う川並が働く姿を見ることができます。
 昭和63年に埋め立てられた、深川北スポーツセンターに面した福富川公園には、昭和42年3月に竣工した鋼装ローラーゲートの吉岡水門が残存しています。
木場を中心とした、船で人や貨物を運ぶ海運・水運産業の水路の歴史も、文化財として後世に伝えていくことに関する考えがあればお聞きします。
 先日、第2回江東区カヌーマラソン大会が開催されましたが、これは当区ならではの水彩イベントです。
また、定期的に水曜日、日曜日には、和船友の会の協力で江戸情緒を味わうことができます。
水面の美しさを感じられるカヌーや和船で、空を背景に、シルエットラインがくっきりと浮かぶ区指定文化財の橋を眺めながら、ゆったりと水辺散歩ができる江東区になることを要望して質問を終わります。
質問事項2の回答
区長(山崎孝明)
 まず、区内にかかる橋梁と橋の魅力についての御質問のうち、墨田川にかかる重要文化財の橋梁についてですが、清洲橋と永代橋につきましては、ともに関東大震災の震災復興橋梁として建設され、清洲橋は震災復興の華、永代橋は帝都東京の門とも呼ばれており、国の重要文化財に指定され、広く親しまれております。
 ちょうど区長になったころだったと思いますが、重要文化財の指定が決まりまして、清洲橋のたもと、中央区側で式典が行われまして、私も中央区長と一緒に式典に臨んだことを覚えております。
 いずれの橋も本区に管理権限がないことや本区と隣接する区を結ぶ橋であることから、本区固有のシンボルと位置づけることはなかなか難しいと考えますが、優美なデザインは内外から評価されており、その存在価値は高いと認識しております。
 永代橋のライトアップは非常にいいものですが、清洲橋は少し商店街のちょうちんが並んだようになっています。
清洲橋のように、あれほどきれいな橋の形はなかなかありません。
清洲橋がライトアップするとき、ちょうど私が都議会議員だったころで、当時の建設局長が点灯式を見てほしいと言うので見に行きましたらあのようなものでして、何だこれはと大分文句を言いました。
そろそろ交換するそうでございますので、もっといいデザインにするよう強く申し入れをしております。
 次に、橋梁の歴史を伝える企画についてですが、区内歴史施設で主に取り組んでいるテーマとして水運や海運、町並みといった題材を取り上げておりますが、橋梁につきましても、文化的資源としての重要性を認識しております。
現在、文化観光ガイドが行うガイドの一環として、橋梁の歴史についても御案内をしております。
 また、中川船番所資料館では、震災復興橋梁の図面を本区指定文化財として所蔵していることから、今後の事業展開の中で企画化できるか検討してまいります。
 次に、清洲橋と永代橋をオリンピック・パラリンピックアーチとして活用することについてですが、IOCとの交渉など、実現はかなり困難であることが想定されます。
 一方で、それぞれの橋梁が有する魅力を発信する好機であることから、機運醸成の一環として何らかの活用ができないか、今後研究を進めてまいります。
 次に、オリンピック・パラリンピック競技会場と永代橋、清洲橋、豊洲のアーバンゲートブリッジなどを組み合わせてめぐる観光ツアーについてですが、昨年11月に豊洲地区で開催した江東湾岸まつりにおいて、オリンピアンが同行する競技会場建設予定地をめぐるバスツアーを企画し、大変好評でした。
また、動力船などでロックゲートや扇橋閘門をめぐる体験クルーズツアーも人気が高く、舟運は本区の重要な観光資源の一つとなっております。
今後、競技会場完成の前後を問わず、舟運なども組み合わせた魅力的な企画を計画してまいります。
 次に、区指定の文化財として残すことについてです。
 まず、海砂橋ですが、海砂橋は、横十間川にかかる海辺と南砂を結ぶ橋で、昭和4年に震災復興橋梁として建設されましたが、昭和63年にかけかえられました。
橋の中央部に飾り板が設置され、デザインに特徴があります。
区が文化財として指定するに当たっては、指定基準に基づき、歴史文化史上重要なものや、地域的特色が顕著なもの、緊急に保護する必要があるものなどを指定しております。
 区内にある全ての有形無形の文化財から優先度の高いものを順次指定しており、現時点で区指定の文化財に橋梁はありませんが、今後、歴史的価値等について順次検証してまいります。
 三島橋のお話がございましたが、シンプルになったことは事実です。
現代と海砂橋をつくった時代の相違、あるいは財政的な理由もあるのかもしれませんけれども、あの海砂橋は事実あれだけの石組みが施され、私はかなりお金のかかった橋だという印象があるのです。
今やはり財政的な問題もあって、あれだけの凝った設計が果たして今できるかというと、なかなか難しいように思います。
 ただ、橋というものは非常にいいものだと私は思っていまして、橋には、文学や映画など、人と人の出会いにまつわるたくさんのものがあります。
昔で言えば、弁慶と義経は五条大橋で出会ったわけであり、「君の名は」の数寄屋橋、そのほか外国の映画でも橋にまつわる物語は数多くあります。
 そうした意味で、橋というものは大事なものであり、また、都市における建造物の中でも橋の持つ魅力は非常に大事なものなので、今後、少し設計や経費も踏まえながら、しっかり考えていきたいと思っております。
 そこで、都市景観重要建造物としての橋梁についてですが、御指摘の亀久橋、萬年橋、福寿橋、東富橋の4橋につきましては、ともに震災復興橋梁であり、保存橋梁として可能な限り後世に残す計画としております。
 今後、橋梁の健全度や耐震性の調査を行い、可能な範囲で補修を行うことによって、長寿命化について検討してまいります。
 橋面の装飾についてですが、設計時に意匠について複数案考え、その中から最もよい案を選定しており、近年の傾向として、シンプルなデザインとすることが主流となっております。
 次に、他の橋を指定する予定についてのお尋ねですが、4橋につきましては、平成16年8月に都市景観重要建造物に指定し、地域の方に愛着を持っていただいております。
指定には地域の景観上、重要な価値があると認められるものを対象としておりますが、都市景観審議会での審議が必要となります。
現時点で他の橋を指定する予定は当面考えておりません。
 景観を大切にしながら地域にある橋を残すことについてですが、景観づくりはまちづくりを進める上で不可欠な要素であり、歴史的価値の高い文化財は適切に保存、継承していく必要があると考えております。
 次に、木場における海運、水運を伝えていくことについてですが、木場は木材産業の歴史と深いかかわりがあり、伝統芸能の木場の角乗りや木場の木遣などの形で現在まで継承されており、歴史的価値の高さについて認識しております。