平成29年9月21日 第3回定例会

質問事項1
地域防災の備えと強化について
9月1日の防災の日は、大正12年に関東大震災が発生した日であり、また、昭和34年の伊勢湾台風が契機となって、地震や風水害などに対する心構えのために制定されました。
多くの地域で防災訓練の行事が開催され、個々の防災意識を高めることができたでしょう。
区報では、大地震から身を守り、生き残るため、家庭の防災対策の再チェック10項目を報告していただきました。
 8月の27日、首都直下型地震に備え、地域防災力を高めることをテーマとした江東区総合防災訓練では、多くの区民、災害協力隊の参加と協力いただいている訓練実施機関の各団体によって、約3時間、スムーズな訓練が行われました。
陸上自衛隊のパワフルな救出救助訓練に驚き、インフラ等復旧訓練に感心し、参加者はスタンプラリーを楽しみ、各ブースの展示や体験訓練ができたと考えます。
 備えを万全にするために、食材を含めた備蓄物資の「物」や避難所に対処する「行動」の確認が必要です。
そのために、江東区総合防災訓練や各学校避難所で行われる合同防災訓練は、地域防災の備えへの役割を果たしていると考えます。
 そこでお伺いします。
開催時間が限られている中、新たに住まわれた若い親子連れの住民が体験され、訓練が試行されなくてはいけないと考えます。
9月3日の水神小学校会場の合同防災訓練を初めとする各小中学校避難所での新たに試行される訓練の計画があればお聞きします。
 合同訓練ではありませんが、地元の千田町会の防災訓練では、町会役員並びに災害協力隊が出席する中で、新たに住民となった若い家族連れにも参加を募るため、「防災まつり」と命名し、こども用の防災服を着て、消防団ポンプ積載車に親子で乗車したり、多くの親子がスタンドパイプの放水をこどもと一緒に体験しました。
子ども会の協力を得て、カレーや流しそうめん等の模擬店もある楽しめる防災訓練でした。
このような若い親子参加がふえた実例があればお聞きします。
 今、この瞬間に首都直下地震が起きてもおかしくありません。
直感力を働かせ、危機的状況を回避する心の備えが必要です。
避難所などの行動を時系列的に示した防災行動計画、防災タイムラインを住民が自分たちで考え、取り組んだ地域の例もあります。
行政の計画と住民主導の防災タイムラインが連携して減災に向かうのです。
そのために、学校避難所運営協力本部の顔見せ会議をやめ、行政指導で課題をつくり、避難所組織を発展的に進める必要があると考えます。
 そこでお伺いします。
学校避難所運営協力本部の活動で、独自に講習会、勉強会を継続して進めている学校並び地域組織はあるのでしょうか。
連合町会等では都が指導している東京防災の講習会が開催され、自主防災の意識は高められていますが、各地域での東京防災の防災アクションの教えを学習する機会がふえているのでしょうか。
危機的状況を回避する心の備えを鍛えるためには、地域で顔がわかる仲間の避難所組織で繰り返し学習することが必要と考えます。
東京防災の講習について、区として見解があればお聞きします。
 次に、避難行動要支援者への行動指針についてです。
 学校避難所運営協力本部の運営について、地元の海辺町会では、町会長を初め婦人部の協力を得て、避難行動要支援者を助ける行動プランを具体的にするために、要支援者50名を、地区で8チームにグループ分けして体制を整えていますが、多い地区で10名、少ない地区で3名、人数の把握だけで、個人情報保護法があるために、氏名、住所も判断できない要支援者の避難者救命の行動プランの話し合いは進まないと聞いています。
行政からも委託された避難行動要支援者の救助活動の行動指針やシミュレーションの骨格を、公助の立場の行政として示すべきだと考えます。
 町内会には、要支援者に登録されていない支援が必要な高齢者もいます。
このような行政指導の対策について考えがあればお聞きします。
 次に、小型無人機ドローンの実用化に向けた取り組みについてです。
 8月の富岡八幡宮の連合渡御時に、小型無人機ドローンを飛ばして深川警察に御迷惑をかけた事件があり、民生用・商業用ドローンで連合渡御を撮影しようと試みたと推測されます。
 本来の空撮、学術調査、観測、施設点検ができるドローン活用は、空の産業革命と位置づけ、開発が加速しています。
しかし、航空法では、日中に限り、人や建物から30メートル以上離れて飛行するように定められ、高さは150メートル以上は飛ばせません。
電波法上の無線局免許の課題もあり、都内では屋外での使用は難しく、広大な室内会場での試験的飛行に限られています。
 実用化に向けた取り組みですが、東京消防庁では、救助隊が簡単にたどり着けないような場合の情報を収集し、効果的な救助活動ができるように、土砂災害や水難事故の現場で使用可能かどうか、実験しています。
 行方不明者を捜すための温度を測定するサーモグラフィーや、有害物質の測定機能の搭載を検討しています。
 西多摩地区のあきる野市では、国家戦略特区の規制緩和を受けてドローン特区に認められ、ドローンカメラでの撮影の実証実験をし、リアルタイムに情報を地上に送り、被害想定を素早く把握できました。
奥多摩町は、国立情報学研究所と災害時の被害状況確認など、実用化に向けた共同研究をスタートしているとのこと。
民間企業では、測定、点検、監視の事業を行っており、災害時の物流サービスや火災の際に早い情報を伝達する役割を担うと考えます。
 親水公園など、改築されていない横十間や小名木川、南北を通る大横川は水門に守られていますが、隅田川や荒川を結ぶ河川です。
また、深川南部地区の汐浜運河から南側の汐見、豊洲、辰巳、東雲の運河、城東地区には砂町、曙の運河などがあります。
 そこでお伺いします。
土砂災害や水難事故の備えと強化のために、小型無人機ドローンの実用化に向けた取り組みはできないでしょうか。
 区内13カ所の小学校、公園で、平均海面より約1メートル低い地盤であることを表示した最低水位APメートルがあるように、当区はゼロメートル地帯です。
堤防の決壊や高潮などの水害の発生時には甚大な被害が懸念されます。
国家戦略特区の規制緩和を受けてドローン特区に認められ、実証実験を進めることはできないでしょうか。
 無人航空機システムの積極的な利活用を推進している社団法人日本UAS産業振興協議会では、操縦法や航空、電波の法規制などを学習するドローンスクールを開校しており、民間企業の技術開発と育成教育はスピードを増して進んでいます。
同様に、当区が特別区トップでドローンの実用化の取り組みをされることを期待します。
質問事項1の回答
区長(山崎孝明)
まず、地域防災への備えと強化についての御質問にお答えします。
 初めに、地域防災の備えについてです。
 区では現在、木場公園における総合防災訓練機関訓練のほかに、小中学校各2校で地域訓練を毎年実施しており、今年度も第1回を9月3日に水神小学校で実施し、700名の方に御参加いただいたところであります。
スタンプラリー形式の防災ラリーや冷や麦、カレーピラフの炊き出し訓練、起震車体験など、幅広い層が楽しめるメニューを用意し、親子連れの姿も多く目にいたしました。
 本年度の新たな試みとしては、劇団員がわかりやすく震災への水道の備えを紹介する東京都水道局の水道キャラバンを、一部の会場で訓練とともに実施する予定であります。
 防災訓練に模擬店やゲームなど、イベント要素を取り込み参加者の層を広げる試みは、ふだん防災訓練に参加していただけない方に興味を持ってもらい、訓練に参加してもらう方法として有効な取り組みであると考えております。
 学校での訓練も、全て私が行って拝見しているんですけれども、やはり地域性ですね。
たくさん来るところと、多いところでは1,000人ぐらい来る学校もありました。
ところが、有明小学校のように新しい町ですと、地域の方の参加がほとんどない。
びっくりするぐらい来ない。
やはりこれは、地域のコミュニティの形成がなされてないということと、しかし、災害で万が一のときにどうしたらいいかということは、やはり新しく越してこられた方もぜひ参加してもらえるようにするにはどうしたらいいだろうということを、もっと考えなきゃいけないと思っているんですね。
 例えば、小学校のPTAに呼びかけて、PTAの役員さん方が声をかけて親子連れで参加をする、そういった働きかけを強化していけばもっと親子で参加してくれるのではないかと。
学校なんか行きますと、高齢者はたくさん来るんですが若い世代が少ない。
これはやはり、我々区としても、もう少し考えて参加者をふやす。
おもしろいイベントがあれば来るだけではなくて、やはり参加させる、してもらう、働きかけ。
特にPTAは上手にリードすればたくさん来てくれると思うんですね。
そういったことも考えていきたいというふうに思っております。
 10月に開催する地域訓練では、小さいお子さんが楽しめる消防車のバッテリーカーなども用意する予定でおり、今後とも楽しみの要素を加え、幅広い層に参加いただける訓練を心がけてまいります。
 学校避難所運営協力本部での講習会、勉強会につきましては、現在、災害協力隊、学校、区災害情報連絡員等が一堂に会する学校避難所運営協力本部連絡会を、実際の災害時を想定した開催となるよう、昨年度より学校の自主運営形式での開催に実施形態を改めたところであります。
 現在、この連絡会では、マニュアルの確認や意見交換などを行っている段階でありますが、今後、防災知識の学習や、より詳細な避難所運営の事前ルールづくり、発災時を想定しての模擬会議などを行えるようにしていくことが必要であると考えており、実施内容の充実やステップアップに取り組んでまいります。
 また、東京防災については、避難所における防災知識の学習用のテキストとして有効なものであると認識しております。
 次に、避難行動要支援者への行動指針についてであります。
 災害時には、町会・自治会等を中心とした災害協力隊等が、要支援者の方の避難を支援することになります。
各協力隊が支援に向かう班を何人体制で何班つくれるかなど、実際の発災時の行動は被災状況に左右されるところが大きいと考えます。
 一方、個人情報保護の観点から、平常時における要支援者の個別情報の所有には、一定の制限を設けざるを得ない状況にあります。
このため、協力隊の方々等にとっては、事前の具体的な支援計画の共有が困難となり、発災時にとるべき行動が見えづらく、行動プランの作成が難しいことは御指摘のとおりであります。
 いざというときに共助の精神に基づき、災害協力隊等が要支援者の方のもとにできるだけ速やかに支援に駆けつけられるよう、協力隊等の行動パターンを状況に分けて整理した行動指針を作成し、活用していただけるように取り組んでまいります。
 次に、小型無人機ドローンの実用化に向けた取り組みについてであります。
 災害時のドローン活用については、昨年4月に発生した熊本地震の際に、調査や被害状況の撮影に用いられたほか、東京都においても、ことし4月から5月にかけて、国家戦略特区制度を用い、山間部の人が近づけない場所での被害状況確認を想定した実証実験を行うなど、現在、さまざまな自治体においてその活用が検討されているところであります。
 他団体では、ドローンによる荷物の宅配なども検討しており、将来的には現在行われているような調査や撮影に加え、災害時の孤立した建物への備蓄物の配送などにも活用する検討が進んでいると伺っております。
 内部河川を多く抱え、また、低地であることから、水害発生時に長期間の浸水が予想される本区においては、ドローンの遠隔操作による安否確認や備蓄配送が可能となれば、救助活動や救援活動において大きな力を発揮するものと考えております。
 一方で、ことし7月の九州北部豪雨の際には、自衛隊の飛行機との接触が懸念されて、飛行自粛が求められるケースも生じるなど、災害時の活用については、一定の条件整備なども必要であると考えております。
 こうした状況を踏まえ、ドローンについては、他団体の今後の実験状況等を注視しつつ、本区においては、災害時における調査や輸送の新しい手段として、研究課題の一つであると認識をいたしております。
質問事項2
オリンピック・パラリンピック競技の振興について
最初に、スポーツクライミングの振興についてお伺いします。
 8月21日付の区報に、区内で開催されるオリンピック11競技、パラリンピック8競技の活力ある写真と競技内容の説明がありました。
日常のスポーツ会館等や小中高校生のクラブ活動で体験できないスポーツクライミングの競技が、青海アーバンスポーツ会場に設置され、到達高度を競うリードや、5メートル以下の壁で幾つ登れたかを競うボルダリング、15メートル壁でタイムを競うスピードの3種目が競技種目となります。
 5月に八王子で開催されたボルダリングワールドカップ大会では、日本代表選手男女とも2位、3位を獲得するなど、メダルが取れるスポーツとして期待されています。
 近隣の民間施設では、リード競技をする壁は限られていますが、ボルダリング競技を楽しむ区民の方々は少なくありません。
体幹が鍛えられるだけではなく健康維持にもなることから、女性にも大変人気がある種目です。
三宅島では、廃校になった村立中学校を利用して、巨大クライミング施設を設置した例もあります。
 当区では深川スポーツセンターに設置されており、オリンピック競技に決まってから機運も盛り上がり、8月27日に「親子で登ろう!クライミングフェスタ」が開催され、公益社団法人東京都山岳連盟主管のもと、多くの企業にも協賛していただき、安全に大会が進められました。
 足立区の西新井文化ホールの児童施設、ギャラクシティには、高さ3メートル幅10メートルと、高さ7.5メートルのクライミングウオールが2カ所設置されております。
7.5メートル側のウオールは「がんばるウォール」と名づけ、安全ベルトを身につけ、落ちてもけがのないように守られています。
 そこでお伺いします。
残念ながら台風接近により、9月17日の「こうとうこどもカヌー大会2017」は中止されましたが、当区は、こどもたちのスポーツ体験、育成に力を注いでいます。
同様に、区内で競技される新たなスポーツ、スポーツクライミング競技施設の増設やこどもスポーツ体験の振興に考えがあればお聞きします。
 次は、ボッチャの振興についてです。
 区内の有明体操競技場で開催されるパラリンピックのボッチャ競技は、ジャックボールと呼ばれる白いボールに向かって、赤と青、それぞれ6個のボールを投げて近づけられるかを競う競技です。
 パラリンピックで脳性麻痺者に門戸が開かれたのは、1980年オランダ・アーネム大会からで、その脳性麻痺者のために考案された障害者スポーツ特有の競技がボッチャです。
昨年のリオデジャネイロ大会では、日本が銀メダルに輝いたこともあり、新たな広がりを見せています。
 日本ボッチャ協会では、障害の有無や老若男女に関係なく、誰でもできる国民的スポーツになればと願っています。
経団連等では、大会を主催したり、多くの企業が参加しており、ボッチャ部を設立した企業もあり、健常者にも浸透してきました。
また、オリパラ教育で、都内の公立幼稚園、小中高校、特別支援学校、合計約2,300校で実施を促進しています。
日本障害者スポーツ協会内に設置した日本パラリンピック委員会が育成に協力しております。
 そこでお伺いします。
広場さえあれば体験できるパラリンピック競技は5人制サッカーとボッチャだけです。
小松橋地区青少年対策委員会のカローリング大会で小学生に体験させたところ、すぐに競技になれ、連帯感やチームワークが生まれていました。
深川第四中学校の70周年事業のスポーツ大会でも、生徒たちが初体験競技に親しんでいました。
 スポーツ会館等で体験を促進していますが、地域振興の機会で、例えば児童・生徒育成や敬老会等でボッチャ体験を進めるなど、スポーツを通した連帯感づくりに活用することについて、考えがあればお聞きします。
 区内にサッカー場を有する東京ガスは、日本障害者スポーツ協会のオフィシャルパートナーとして加盟している企業です。
地域スポーツ振興に理解のある企業協力についても、考えがあればお聞きします。
質問事項2の回答
地域振興部長(大塚善彦)
現在区では、さまざまな機会を捉え、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会において、江東区内で行われる競技のPRを、体育協会やスポーツ推進委員会を初めとする関係団体とともに取り組み、東京2020大会の開催機運の醸成を積極的に図っております。
 その1つの競技でもあります青海のアーバンスポーツ会場で行われるスポーツクライミングの振興につきましては、現在、江東区内に深川スポーツセンターのほか、民間施設で2カ所体験でき、近隣では菊川に1カ所ございます。
深川スポーツセンターのクライミングウオールは、休日の一般公開日で平均20名、多い日は50名を超える方が御利用いただいており、親子での御利用も多く見られます。
 また、ことしの区民まつり会場に、東京2020大会の区内実施競技の一部を体験できるエリアを設け、仮設のリードウオール、スピードウオール、キッズウオールの3つのクライミングウオールを設置し、こどもから大人まで体験できるコーナーを設け、多くの方に体験していただきたいと計画しております。
 スポーツクライミング施設の増設につきましては、東京2020大会終了後の新規恒久施設の施設運営計画によりますと、青海のアーバンスポーツ施設を有明に移設する計画がされていることから、区といたしましては、現在のところ施設の増設計画はございません。
 また、こどもスポーツ体験の振興につきましては、こどもスポーツデーを初め、各スポーツセンターでのこども向け教室等を通じ進めているところでございますが、機会を捉え、さらに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、ボッチャの振興につきましては、スポーツ推進委員が中心となり、地域のスポーツクラブでの実施や老人福祉センターや小学校等に出向き体験会を行っているほか、区内のスポーツセンターや障害者支援施設におきましても体験する機会を設けており、本年3月行いました障害者スポーツフェスタにおきましても、ボッチャ競技が大変盛り上がりました。
 ことしの区民まつりの会場におきましても、区内実施競技体験エリアにボッチャやこども向けアーチェリーの体験コーナーを設け、多くのこどもたちに体験していただきたいと計画をしております。
 また、本年度のこどもスポーツデーの中でも、ボッチャや車いすバスケットボール、5人制サッカーの体験コーナーを設け、多くのこどもたちに体験をしていただきたいと考えております。
 ボッチャは障害のあるなしやこどもから高齢者まで一緒に楽しめるスポーツで、連帯感やお互いを理解し合う心を育てるスポーツとして、現在、江東区スポーツ推進委員会を中心に、普及、振興に力を入れております。
今後も機会を捉え、こどもから高齢者、そして障害のある方まで、多くの人がスポーツに親しみ、心と体の健康、体力の向上を目指した取り組みを進めてまいります。
 次に、地域スポーツ振興に理解のある企業の協力ですが、車いすバスケットボールやボッチャなど、パラリンピック競技の用具を貸し出している企業もあります。
また、カヌー振興では、既に地元企業の協力をいただいており、区として引き続き地元企業に協力をお願いしてまいりたいと考えております。
 また、シーサイドマラソン大会におきましても、多くの企業の協賛をいただき運営を行っているところでございます。
 区といたしましても、スポーツ推進委員会を初め、関係団体や地域と連携し、企業の協力も得ながら、区内で行われる東京2020大会の競技の振興や開催機運の醸成を通し、区民の健康と生きがいづくりや地域コミュニティの形成に引き続き取り組んでまいります。
 次に、魅力ある日本文化の体感と継承についての御質問にお答えをいたします。
 まず、まちおこしとなるストリートフェスティバルについてですが、御指摘のイベントは、まちおこしを目的として、地元の商店や町会が一体となり、ボランティアなども参画した形で運営しており、小さなお子さんから高齢者の方まで楽しめる、地域挙げてのイベントであると認識しております。
 本区でも、江東区民まつりを初めとして、それぞれの地域で行われる地区まつりなど、多くの方々に御参加をいただいている催しは多くありますが、音楽をテーマにした地域一体のイベントという点では、注目すべきフェスティバルであると考えております。
 本区では、東京2020オリンピック・パラリンピックに向け、文化プログラムを広く推進しておりますが、本年3月に策定した江東区文化プログラム基本指針の中で、取り組みの柱として、「誰もが芸術文化活動に参加しやすい環境整備」を掲げており、年齢や性別、国籍などにかかわらず、多様な人が本区の芸術文化に気軽に触れることができる多彩な鑑賞機会を提供していくという観点からも、参考の一つにすることができるイベントであると評価しております。
 次に、江戸情緒に包まれた日本文化の継承についてですが、江東区文化プログラム基本指針の中で、「日本文化の再認識と継承・発展」を掲げており、文化財などの日本の伝統文化を適切に保存しつつ、多様な手法で積極的に公開・活用を行うことにより、日本文化が有する魅力を発信し伝統文化を再認識する機会を提供することとしております。
 日本文化を体感できる地域イベントについてですが、江東区文化コミュニティ財団では、KOTO街かどアーティストの事業の一環として、南京玉すだれや和太鼓などを広く披露する機会を設けております。
神社仏閣が多く存在する本区においては、無形民俗文化財である木場の木遣、砂村囃子、富岡八幡の手古舞などの民俗芸能も適切に現在まで受け継がれており、今後、本区の文化プログラムを推進していく中で、観光協会や文化コミュニティ財団との協力のもと、さらなる充実について検討してまいります。
 お江戸深川秋まつりですが、「和服を着て、下町らしく粋な唄に合わせて元気に踊りながら情緒ある町並みを楽しむ」という内容で、新内流しと門付が登場するなど、日本文化を体感できるイベントも予定されております。
 次に、深川江戸資料館を中心としたフェスティバルの開催に関する御提案についてです。
 深川江戸資料館では、さまざまな歴史文化資料の展示に加え、地元商店街と連携したかかしコンクールや文化財保護強調月間中に開催している江東区伝統工芸展など、多彩なイベントを実施しております。
また、清澄白河地区では、休館中の東京都現代美術館が、空き店舗等を活用して、地域での芸術鑑賞できるMOTサテライトを開催し、多くの方に御参加をいただくなど、多彩な催しが行われており、イベント開催に当たっては、何よりも地域の声や要望が重要であると考えており、地元の御意見も踏まえ検討してまいります。
 次に、郷土芸能や民俗芸能を継承している地域の協力者や団体についてですが、無形文化財として指定、登録している団体や、社会教育関係団体としての登録に加え、さまざまな施設での実演の機会などを通し、区内で活動している団体等の把握に努めております。
 次に、日本文化及び郷土芸能、民俗芸能の継承についてですが、活動団体等との意見交換の中で、後継者が不足しているということは各団体に共通する課題として把握しております。
 文化コミュニティ財団では、こどもを対象とした三味線教室などを開催し、次世代育成を図っておりますが、伝統技術を適切に次世代に受け継いでいくためには、区民一人一人に民俗芸能等を理解してもらうことが必要であり、区民が民俗芸能等に身近に接せられる機会を充実させることが重要であると考えております。
今後も、本区の宝である民俗芸能等が適切に継承されていくよう、事業の充実を図ってまいります。
質問事項3
日本文化の体感と継承について
最初に、まちおこしのストリートフェスティバルの開催についてお伺いします。
 夏の8月18日から20日間の3日間、第8回すみだストリートジャズフェスティバルが開催されました。
錦糸公園メーン会場を中心に、両国駅や東京スカイツリー、そしてことしは北部地区にもブース会場を広げ、42カ所でジャズが奏でられていました。
 錦糸町駅北口、南口では、ところどころで演奏が重なり合っており、町全体がジャズに包まれたエキサイティングな芸術イベントを体験できました。
おもしろい趣向は、墨田ジャズの名物、ジャズバスで、会場移動のバス内で生演奏を聞くことができるのです。
 多くの地域の協賛企業の協力により資金調達されていることや、地元町内会とボランティア支援によって成り立っています。
そして、第3回から収益の一部を、被災者支援のために6年連続して寄附もしています。
 墨田区や観光協会の後援もあることで、プロフェショナルなグループがゲスト招待されていますし、障害がある姉と弟の小さなジャズユニットまで、アマチュアを含め、まちおこしセッションが一同に集まっています。
クラシック音楽の殿堂、すみだトリフォニーホールが開館20周年を迎えることも、イベントを盛り上げる要因かもしれません。
 そこでお伺いします。
このようなストリートフェスティバルが8年間、墨田区内全域で行われ、まちおこしの一環となっています。
まちおこしの区の認識と評価についてお聞きします。
 次に、江戸情緒に包まれた日本文化の継承についてです。
 同様のストリートフェスティバルですが、11月中旬に新宿区と観光振興協会の後援、都の協力により、公益財団法人東京都歴史文化財団主催の神楽坂まち舞台・大江戸めぐりが、毘沙門天善國寺を中心に、赤城神社から神楽坂の町並みで、和太鼓・尺八、三味線、おはやし、新内流し・長唄などの演奏や、太神楽・南京玉すだれを初めとする大道芸も町中で楽しめます。
 2日間ですが、粋な伝統芸能との出会いはとても貴重なことであり、日本文化の華やかな魅力を体感できる機会です。
 神楽坂よりコンパクトなステージですが、4月の末の2日間は、大江戸両国・伝統祭江戸を蘇らせる春の伝統祭が開催され、伝統芸能の15団体や一門が、洗練された文化・伝統芸を披露していました。
 そこでお伺いします。
このような江戸情緒に包まれた日本文化を体感するイベントを、亀戸香取神社のストリートや花柳界があった門前仲町エリアで、区と観光協会の後援のもと開催するのはいかがでしょうか。
10月22日日曜日、永代橋から深川不動尊まで、お江戸深川パレードとして秋まつりが開催されることは大変に喜ばしいことであります。
この催し物は日本文化が体感できるものなのでしょうか。
 また、ストリートフェスティバルのように、深川江戸資料館を中心として、近隣の清澄庭園や寺院に協力をいただき、下町舞台ストリート・こうとう文化伝統フェスティバルの開催企画を進めるのはいかがでしょうか。
SPORTS&SUPPORTSを掲げる当区として、すばらしいまちおこしとおもてなしができると考えますが、開催企画についてお考えをお聞きします。
 成田山奉納の成田太鼓祭では、千葉県だけではなく他県から選ばれた実力あるチームも参加するなど、新勝寺大本堂や参道にある8カ所のステージで和太鼓の演奏があり、日本屈指の太鼓祭も来年30周年を迎えます。
 そのうちの1つ、みらいステージでは、全国高校総合文化祭に出演する太鼓部など、高校生だけが演奏するステージがあります。
児童や生徒たちに郷土芸能を伝承していくことは大切なことであり、練習、訓練だけではなく、発表の機会を与えていくことが必要と考えます。
 当区の夏祭りも同様に、祭りばやしのおはやし団体は、地域努力で伝統が継承されておりますが、先人たちが残してきた郷土芸能を継続することがさらに難しくなってきたと聞いております。
 そこでお伺いします。
区内にある和太鼓、おはやし、三味線などの郷土芸能をこどもたちに教え、継承している協力者や団体について把握しているのでしょうか。
区はどのような支援で日本文化並びに郷土芸能の継承について考えがあるのか、お聞きします。
 日本文化を受け継ぐこどもたちが楽しく学び、励みになる発表の機会がふえることを大いに期待して、質問を終わります。
質問事項3の回答
地域振興部長(大塚善彦)
次に、江戸情緒に包まれた日本文化の継承についてですが、江東区文化プログラム基本指針の中で、「日本文化の再認識と継承・発展」を掲げており、文化財などの日本の伝統文化を適切に保存しつつ、多様な手法で積極的に公開・活用を行うことにより、日本文化が有する魅力を発信し伝統文化を再認識する機会を提供することとしております。
 日本文化を体感できる地域イベントについてですが、江東区文化コミュニティ財団では、KOTO街かどアーティストの事業の一環として、南京玉すだれや和太鼓などを広く披露する機会を設けております。
神社仏閣が多く存在する本区においては、無形民俗文化財である木場の木遣、砂村囃子、富岡八幡の手古舞などの民俗芸能も適切に現在まで受け継がれており、今後、本区の文化プログラムを推進していく中で、観光協会や文化コミュニティ財団との協力のもと、さらなる充実について検討してまいります。
 お江戸深川秋まつりですが、「和服を着て、下町らしく粋な唄に合わせて元気に踊りながら情緒ある町並みを楽しむ」という内容で、新内流しと門付が登場するなど、日本文化を体感できるイベントも予定されております。
 次に、深川江戸資料館を中心としたフェスティバルの開催に関する御提案についてです。
 深川江戸資料館では、さまざまな歴史文化資料の展示に加え、地元商店街と連携したかかしコンクールや文化財保護強調月間中に開催している江東区伝統工芸展など、多彩なイベントを実施しております。
また、清澄白河地区では、休館中の東京都現代美術館が、空き店舗等を活用して、地域での芸術鑑賞できるMOTサテライトを開催し、多くの方に御参加をいただくなど、多彩な催しが行われており、イベント開催に当たっては、何よりも地域の声や要望が重要であると考えており、地元の御意見も踏まえ検討してまいります。
 次に、郷土芸能や民俗芸能を継承している地域の協力者や団体についてですが、無形文化財として指定、登録している団体や、社会教育関係団体としての登録に加え、さまざまな施設での実演の機会などを通し、区内で活動している団体等の把握に努めております。
 次に、日本文化及び郷土芸能、民俗芸能の継承についてですが、活動団体等との意見交換の中で、後継者が不足しているということは各団体に共通する課題として把握しております。
 文化コミュニティ財団では、こどもを対象とした三味線教室などを開催し、次世代育成を図っておりますが、伝統技術を適切に次世代に受け継いでいくためには、区民一人一人に民俗芸能等を理解してもらうことが必要であり、区民が民俗芸能等に身近に接せられる機会を充実させることが重要であると考えております。
今後も、本区の宝である民俗芸能等が適切に継承されていくよう、事業の充実を図ってまいります。